税理士法人吉井財務研究所

贈与時も相当地代の20%は資産計上(岡山の税理士事例)
相続税

国税不服審判所が同族会社株式評価で裁決
贈与時も相当地代の20%は資産計上(岡山の税理士事例)

相続税の取扱いでは、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対して土地を相当の地代方式で貸し付けている場合、土地自体は80%評価とされる一方で、同族会社株式の評価では、20%に相当する借地権の価額を純資産価額に算入することとされている。
これは、「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて(以下60年通達)」通達6の注書によるもの。
通達の文言では、「被相続人」とされているため、審査請求人は、実父から贈与によって取得した同族会社株式の評価について、その発行会社の純資産価額の計算上、借地権の価額を零として贈与税の申告を行った。
これに対し税務署は、借地権価額20%を純資産価額に算入する更正処分を行った。審査請求人は、この処分を不服として審査請求に及んでいたものである。
原処分庁は、60年通達の6の注書及び43年通達は、課税の不公平を取り除くことを趣旨としていることからも、相続の場合だけでなく、贈与によって株式が移転した時においても同様に取り扱うことが適切であり、本件贈与にも適用することが妥当であると主張し、審判所も、原処分庁の主張を支持する判断を示した。
《審判所の判断》
請求人の主張どおり、60年通達の6の注書はその文言から相続税の取扱いを定めたものと読める。とはいえ、60年通達の趣旨に「相続税及び贈与税の取扱いを定めたもの」とあることからも、贈与税の取扱いも同様に定めていることは明らかである。
また、相続税の課税回避の防止を趣旨としている点からも、注書の内容が贈与の場合にも適用されると考えられるうえ、贈与に60年通達が適用されないのであれば、結果として課税の回避を生じさせることになる。
したがって、60年通達の6の注書は相続税の場合のみならず、その趣旨に合致する限りは贈与の場合でも適用するべきであり、請求人の主張は認められない。

(岡山の税理士事例)