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グループ会社との取引、書類保存ルールが変わります ――「特定事項記載書類」の義務化とは?

グループ会社との取引、書類保存ルールが変わります
――「特定事項記載書類」の義務化とは?

2026年6月25日 税務コラム


「親会社から業務委託を受けているけど、契約書には金額しか書いていない」――そんな会社は要注意です。令和8年度の税制改正で、グループ企業間取引に関する書類保存ルールが大きく変わりました。

なぜこのルールができたのか

グループ企業間の取引は、当事者同士が関係者であるため、支払う金額が恣意的に操作されやすいという問題があります。たとえば、利益が出ている子会社から親会社へ高額の管理料を支払えば、グループ全体の税負担を意図的に減らせてしまいます。

これまでは契約書や請求書などの「取引関連書類」の保存が求められていましたが、それだけでは「その金額が本当に適正かどうか」を税務当局が確認しきれないケースがありました。そこで今回の改正により、金額の根拠を明らかにする書類の保存が新たに義務付けられることになりました。

 「特定事項記載書類」とは?

関連者との契約書等に「対価の額の明細(どう計算したか)」「役務提供の内容」などが記載されていない場合に、その不足している事項を補う書類のことです。電磁的記録(電子ファイル)も含まれます。


どの会社が、いつから対象になるか

この特例は、青色・白色申告を問わず、すべての国内法人が対象です。規模の大小は関係ありません。

適用開始:令和8年4月1日以後に開始する事業年度の取引から3月決算法人の場合、令和9年3月期(令和8年4月〜令和9年3月)の取引が対象です。確定申告書の提出期限(令和9年5月末)までに特定事項記載書類を取得・作成・保存する必要があります。

また、書類の保存期間は確定申告書の提出期限から7年間です。


どんな取引が対象か

対象となるのは、関連者(親会社・グループ会社など)から内国法人に対して行われる以下の取引です。

  • 工業所有権等(特許権・商標権など)の譲渡・貸付け
  • 技術指導・管理業務などの役務提供

※いずれも「関連者から受ける取引」が前提です。グループ外の第三者との取引は対象外です。

 保存が不十分だと青色申告の取消事由に!

法令の定めに従った保存が行われていない場合、青色申告の承認取消しの対象になる可能性があります。欠損金の繰越控除など多くの特典を失うリスクがあるため、軽視は禁物です。


今すぐ確認すべき5つのポイント

  • 対象取引の洗い出しグループ会社・親会社から受けている取引(管理業務委託、ブランド使用料、システム利用料など)をリストアップする
  • 既存の契約書・請求書の記載内容を確認「役務提供の具体的な内容」「対価の計算方法・明細」が記載されているかをチェックする
  • 不足事項を補う書類の準備記載がない場合は、対価の算定根拠・役務の明細を記した「特定事項記載書類」を関連者から取得するか、自社で作成する
  • 電磁的記録も保存対象に含めるメールやExcelファイルで授受された見積根拠・計算シートなども保存対象になりえるため、整理・保管ルールを社内で決める
  • 7年間の保存管理フローを構築申告書提出期限から7年間の保存が必要。紙・電子データそれぞれの管理方法をルール化する

ご不明な点はお気軽にご相談くださいグループ会社間の取引でお困りのことや、既存の書類保存体制の見直しについて、当事務所では個別のご相談をお受けしています。まずはお気軽にお問い合わせください。