所得税確定申告 医療費の確認は怠りなく
「お知らせ」に記載がない医療費に注意!
所得税の確定申告で医療費控除の適用を受ける者は 760 万人以
上ともいわれ、多くの人になじみのあるところだが、適用にあたり
医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細
書」を確定申告書に添付して提出することになっている。
診療等を受けた医療機関、薬局が数多い場合などでは入力や集計
などの作業に手間がかかる場合もある。そのような場合、健康保険
組合など保険者から送られてきた「医療費のお知らせ」が、医療費
通知に当たる場合には、医療費控除を受ける際の添付書類として利
用することができることになっているため、申告処理の簡素化が図
れる。
ただし、健康保険組合などから送られてきた「医療費のお知らせ」
を確定申告に際して利用する場合、注意する点もある。この「医療
費のお知らせ」は、おおむね8月から 10 月あたりまでの診療や薬
の処方等調剤の記録になっているものもあり、その期間の後に医療
機関等の診療等を受けた場合はその領収書等をもとに医療費控除
の明細書を作成する必要がある。
また、「医療費のお知らせ」は、基本的に保険適用となる診療の
ものが記載されているため、自由診療は記載されない。たとえば、
令和6年 10 月以降に後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある医
薬品で一部の先発医薬品の処方等・調剤を希望した場合に支払う
「特別の料金」。これは治療や療養に必要な医薬品の購入の対価と
して医療費控除の対象となる。そのほか、医療費控除では自由診療
が多い歯の治療について、たとえば、金やポーセレンは歯の治療材
料を使った治療の対価など基本的に治療目的で一般的な支出とさ
れる部分については、保険適用外のものでも医療費控除の対象とな
るケースもある。また、治療目的で通院・入院した費用、たとえば
公共交通機関の交通費などに関しては基本的に医療費控除の対象
となるため、明細に記載できる。
医療費控除に関しては、お知らせの添付や明細作成に際して個々
の領収書も確認するなど注意が必要だ。

 
      