税理士法人吉井財務研究所

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国税庁が税務行政のDX化を推進 システム刷新により申告書様式も改定へ
法人税

国税庁が税務行政のDX化を推進
システム刷新により申告書様式も改定へ

国税庁では、e-Tax (国税電子申告・納税システム)など税務行
政のDX化を推し進めている。e-Tax の利用割合は所得税の確定申
告では 69.3%、法人税の確定申告では 86.2%となっている(令和5
年度の利用状況)が、同庁では引き続き納税者の利便性向上に努め
るとし、令和8年度に所得税の申告では 80%、法人税は 90%の利
用割合の達成する目標を掲げている。
すでに e-Tax は「マイナポータル連携」を行い、源泉徴収票のほ
か保険料、医療費、寄附金など主要な控除額のデータを取得して所
得税の確定申告書への自動入力化を図っているほか、スマホ用電子
証明書を使い、スマートフォンでの申告書の作成と e-Tax 送信も進
め(Android は令和6年分から、iPhone(iOS)は令和7年分の確
定申告を予定)、自動計算で確定申告書が完成する「書かない確定
申告」を進めている。
税理士がクライアントのマイページ情報を参照できる機能を令
和7年5月から提供しているほか、ネットバンキングやダイレクト
納付などのキャッシュレス納付を令和7年度末までに国税の納付
全体 40%を目途に進める。
また、国税内部の基幹システムである「国税総合管理システム(K
SK)」の刷新を進めている。次世代はKSK2と呼ばれ、令和8
年度にリリースを予定、内部事務をより効率化したいとしている。
従来、納税者から紙で提出された申告書等については一部のみシス
テムに入力していたが、KSK2では原則全てスキャナで読み取
り、データ中心の事務処理とする「AI-OCR」が導入される。それに
伴い、約 2,300 種の申請届出様式について、AI-OCR に対応した新
様式に改定するなど、納税者側にも影響が見込まれる。
同庁では、データ中心の事務処理により、一層申告書の処理、税
務調査、滞納整理を精緻にできるものと期待している。