相談事例集-所得税

配偶者居住権等消滅での譲渡所得の取得費 居住建物所有者から対価の支払がある場合

2020年03月19日

配偶者居住権等消滅での譲渡所得の取得費
居住建物所有者から対価の支払がある場合

配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物の無償での使用を、終身又は一定期間、配偶者に認める権利で、2018年の民法改正で創設され本年4月1日から制度がスタートする。
2019年度の税制改正では配偶者居住権の相続税の評価方法が定められ、昨年の国税庁の相続税法基本通達改正では配偶者居住権が消滅した場合の贈与税の取扱いが示されていた。
2020年度税制改正においては、配偶者居住権及び配偶者居住権の目的となっている建物の敷地の用に供されている土地等を配偶者居住権に基づき使用する権利(「配偶者敷地利用権」)が消滅等した場合及び配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供されている土地等(「居住建物等」)をその所有者が譲渡した場合における譲渡所得の計算上控除する取得費の取扱いが規定される。
配偶者居住権が消滅する場合としては、配偶者の死亡のほか、配偶者と配偶者居住権の目的となっている建物の所有者との間での合意や、配偶者が配偶者居住権を放棄するとき等がある。配偶者居住権は民法上、譲渡することはできないが、合意や放棄により利益を受ける居住建物の所有者から対価の支払いがある場合も出てくる。
そこで2020年度改正では、こうした際には譲渡所得として課税されるものとして、その取得費の取扱いが規定される。
具体的には、配偶者居住権等(配偶者居住権又は配偶者敷地利用権)の消滅により支払いを受けた金額から控除する取得費は、居住建物等の被相続人に係る「居住建物等の取得費」に「配偶者居住権等割合」を乗じた金額から、配偶者居住権の設定から消滅等までの期間に係る「減価の額」を控除した金額とする。配偶者居住権等割合とは、その配偶者居住権設定時における「配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の価額÷居住建物等の価額」である。

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