相談事例集-法人税

国税庁、「節税保険」の既契約について遡及適用せず

2019年04月12日

金融庁と国税庁による生命保険各社の「節税保険」への規制強化が注目されていたが、国税庁は11日、「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか1件の一部改正(案)(定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い)等に対するパブリックコメントを実施することを公表した。改正案では、保険商品の類型ごとに保険料の損金算入の取扱いを定めている法令解釈通達(個別通達)の廃止を予定していることが分かった。

改正案によると、定期保険及び第三分野保険の保険料に関する原則的な取扱いは、第三分野保険の保険料は危険保険料及び付加保険料のみで構成されており、その保険料の構成は定期保険と同様と認められることから、従来の定期保険の取扱いに第三分野保険の取扱いを加え、これらの保険料に含まれる前払部分の保険料が相当多額と認められる場合を除いて、期間の経過に応じて損金の額に算入することとする(法人税基本通達9-3-5)。

定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱いは、法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人等を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険又は第三分野保険で最高解約返戻率が50%を超えるものに加入して、その保険料を支払った場合には、課税所得の期間計算を適正なものとするため、その支払った保険料の額については、最高解約返戻率に応じ、取り扱うこととする(法人税基本通達9-3-5の2)。

新たな資産計上ルールでは、最高解約返戻率が85%以下の商品は、各商品の実態に応じて、支払保険料の額に一定割合を乗じた金額を一律の期間資産計上する現行の取扱いと同様の簡便なルールとする。これとは別に、前払部分の保険料が極めて多額となると認められる最高解約返戻率が85%超の商品は、資産計上額の累積額が前払部分の保険料の累積額に近似するよう、最高解約返戻率に応じてより高い割合で資産計上することとする。

なお、一般に、資産計上期間経過後においても解約返戻金がおおむね最高額となるまでは、支払保険料に含まれる前払部分の保険料は逓減するもののその累積額は増加していくことから、いずれの区分においても一定期間は資産計上額を据え置くこととし、一定期間経過後に均等に取り崩して損金の額に算入することで、保険期間の後半に充当される前払部分の保険料と資産計上額のうち損金の額に算入される金額とが対応するような取扱いとする。

上記の法人税基本通達9-3-5の改正等に伴い、定期保険及び第三分野保険に関する取扱いを統一することから、商品類型ごとに取扱いを定めていた個別通達を廃止する。ただし、廃止する個別通達の適用対象となる保険契約で、改正通達の発遣日前の契約に係る保険料については、なお従前の例によるとしており、保険業界が懸念していた既契約については遡及適用しないことが明らかになった。

この件については↓
https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000186086

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