相談事例集-法人税

棚卸資産の評価損計上での節税は可能か (岡山 税理士 法人税事例)

2016年09月12日

棚卸資産の評価損計上での節税は可能か
例外で評価損の計上が認められるケース

(岡山 税理士 法人税事例)
棚卸資産の評価損の計上による節税という話をよく聞く。仮に、資産価値の下落を評価損として損金算入できれば、法人は税負担の軽減ができて資金的にも有利になる。
しかし、法人税法では、原則として、資産の評価替えをして帳簿価額を減額し評価損を計上した場合には、その減額した部分の金額の損金算入は認められないことになっている。棚卸資産の価格の下落による損失は、その資産を譲渡しない限り実現しないからだ。
ただし、例外として、棚卸資産について、以下のような事実が生じた場合には、評価損の損金算入が認められる。それは、?災害により著しく損傷したこと、?著しく陳腐化したこと、?更生計画認可の決定があったことにより評価替えする必要が生じたこと、?その他これらに準ずる特別な事実が生じたこと。したがって、棚卸資産の時価が、単に物価変動や過剰生産、建値の変更等の事情で低下しただけでは、評価損の計上はできない。
?の「著しく陳腐化したこと」とは、棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず、経済的な環境の変化に伴って、その価額が今後、回復しないと認められる状態にあることをいう。例えば、極めて流行性の強い、いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後、通常な価額では販売できないことが既往の実績、その他の事情に照らして明らかである場合が該当する。
また、その商品と用途の面では概ね同様のものだが、形式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことによって、その商品につき、今後、通常の方法により販売することができないようになった場合も、「著しく陳腐化したこと」に該当する。
さらに、?の「その他これらに準ずる特別な事実」とは、例えば、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化などによって、通常の方法によって販売することができないようになったことをいうとされている。

<税務調査への備え>
棚卸資産の評価損を計上した場合には、税務調査の対象となると思われ、その計上を巡り税務当局との間でトラブルが生じることも少なくありません。そのため、評価損の事実を立証する証拠となる書類、文書等の整備が不可欠となります。例えば、棚卸資産の評価損についての疎明・証拠書類としては、正規の価格が値崩れしていることを表す流通価格表や、従来の製品等と新製品の性能・品質等の比較表などが挙げられます。

(岡山 税理士 法人税事例)

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